「地元で評判の塗装店に依頼したはずが、塗装後に雨漏りが始まった」
本来起きてはならないことなのですが、実際に優良塗装店がこのようなトラブルを引き起こしてしまうケースがあります。
屋根塗装による雨漏りのトラブルを紐解いてみると、実はそのほとんどがスレート屋根かコンクリート瓦に見られるもので、金属屋根で見られることはほとんどないのです。
外壁塗装と屋根塗装は同じ業者に依頼することが普通ですが、外壁塗装には外壁塗装の、屋根塗装には屋根塗装のポイントがあるためそれぞれのポイントをしっかり押さえていないと優良塗装店でもトラブルを引き起こしてしまうのです。
スレート屋根に起きたトラブル
屋根材として現在最も普及しているスレート屋根は一枚当たりの屋根材が以外にも大きく、屋根材同士は深く重なり合っています。
この重なり部分の隙間から水分や湿気を排出する仕組みになっているのですが、隙間が足りない場合には上手く排出されず、反対に広すぎる場合には雨水が吹き込みやすくなるなど、適切な隙間を設けなければなりません。
適切な隙間が確保されている場合でも、塗装により隙間を狭めてしまったり完全に塞いでしまうことがあり、防水のための屋根塗装でかえって屋根に水分が溜まってしまい雨漏りを引き起こすようになります。
これを避けるためにかつては屋根の重なり部分を覆っていた塗膜に切れ目を入れる縁切りが行われていましたが、現在ではタスペーサーと言う製品を使い水分や湿気の逃げ道を作ることが一般的になりました。
しかし、タスペーサーを正しく扱うことができない業者がいることも事実です。
タスペーサーは下塗りをした後に挿入する手順が正しく、中塗り後に挿入してしまうと塗膜が剥がれてしまう危険性があります。
コンクリート瓦に起きたトラブル
通常瓦屋根と聞いて想像するものは粘土から作られているもので、粘土瓦と呼ばれるもので本来塗装の必要がないものです。
トラブルが発生してしまう瓦とは粘土瓦ではなく、セメントやコンクリートを原料としたセメント瓦やコンクリート瓦です。
セメント瓦とコンクリート瓦は見た目が非常に似ているながらも塗装する場合にはそれぞれに適した塗料を選定しなければならず、誤った塗料を使用してしまうと塗膜の剥がれを起こしてしまいます。
セメント瓦とコンクリート瓦を見分ける方法は簡単なのですが、特にコンクリート瓦はスラリー層と呼ばれる弱い部分を持っているため塗装する際にはスラリー層をしっかり取り除いた上で行わなければなりません。
セメント瓦とコンクリート瓦の違いを知らなかった場合にはコンクリート瓦をセメント瓦と同じ手順で塗装してしまい、塗膜が剥がれたと言うトラブルに繋がってしまうのです。
作業中に起きたトラブル
屋根の塗装では、屋根の上に乗って作業が行われます。
傾斜のついた屋根の上での作業は容易ではなく、さらに塗料や道具を持って移動するため少しの移動にも危険が伴います。
足元が安定しない屋根の上では知らず知らずのうちに瓦をズラしてしまったことにより雨漏りを起こしてしまった、バランスを崩した拍子に瓦を割ってしまったと言うことは珍しいことではありません。
最後に
外壁と屋根では塗装時の条件も異なり、まったく同じように工事を進めることはできません。
お客様の大切なお住まいを塗装する業者はプロとして正しい知識を持っていることが必要とされます。
少しでも違和感を覚えたり不安な点があれば遠慮なく業者に相談し、その対応や姿勢から業者を判断することも大切です。
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