
先日、大野城市南ケ丘にお住まいのR様より、「せっかく塗り替えるなら長持ちさせたいんですが、やっぱり一番高い塗料を選んだ方がいいんでしょうか」というご相談をいただきました。
外壁塗装では、シリコンやフッ素といった名前を見ても、実際にどれが自宅に合うのか迷いますよね。金額が高いほど必ず長持ちするのかも、分かりにくいところです。
「こっちの見積もりはシリコンで、こっちはフッ素になっていますよね。」
「そうですね。R様は、金額より長持ちする方を優先したい感じですか。」
「できれば長持ちしてほしいです。でも、フッ素なら全部シリコンより上なのかなと思っていて。」
「名前だけで見ると、そう思いますよね。ただ、そこまで単純でもないんです。」
「同じフッ素でも違うんですか。」
「違いますよ。シリコンやフッ素がどのくらい使われているのか、塗料全体がどう作られているのかで変わります。」
塗料は、樹脂の名前だけで品質が決まるわけではありません。同じシリコン塗料、同じフッ素塗料でも、製品ごとに中身は異なります。
「じゃあ、シリコンの方が長持ちすることもあるんですか。」
「組み合わせによってはあります。シリコンがしっかり入った塗料と、フッ素の割合が少ない塗料なら、名前だけでは比べられませんね。」
「見積もりにシリコンとかフッ素と書いてあるだけでは分からないんですね。」
「商品名まで見たいですね。どこのメーカーの何という塗料かが分かれば、もう少し中身を見られます。」
塗料のグレード名は、大まかな分類としては役立ちます。ただし、実際に選ぶときは製品ごとの違いまで確認した方が判断しやすくなります。
「高い塗料を選べば間違いないと思っていました。」
「高いものには理由がありますけど、今の外壁に合うかも大事ですよ。この部分、少し表面が弱っていますよね。」
「触ると粉が付くところですか。」
「そこです。塗料を選ぶ前に、まずこの状態をどう整えるかを考えないといけません。」
高い塗料でも下地が整っていなければ持ちにくい
「この粉が付くのは、かなり悪い状態なんですか。」
「塗膜が弱ってきているサインですね。すぐ外壁が壊れるという話ではないですけど、そのまま上から塗る場所ではないです。」
「洗えば取れるんですか。」
「洗浄はします。そのあとで外壁の状態を見て、必要な下塗りを入れます。ひびや傷んだところがあれば、そこも先に直しますね。」
外壁塗装は、仕上げの塗料を塗る前の処理も仕上がりに関わります。汚れや弱った塗膜が残ったままでは、新しい塗料がうまく密着しにくくなります。
「フッ素を使っても、そこをちゃんとしないとだめなんですね。」
「高い塗料でも同じです。下が弱いままだと、上だけ強くしても持ちにくいんですよ。」
「塗料の説明ばかり見ていましたけど、塗る前の方も大事なんですね。」
「実際の工事では、かなり大事ですね。完成すると見えなくなるところですけど。」
「見えなくなるから、こちらでは分かりにくいですね。」
「そこはそうですね。下地処理をどうするのか、見積もりの説明で聞いておいた方がいいです。」
下地処理は、完成後に外から確認しにくい工程です。塗料名だけでなく、どんな状態に対してどんな処理をするのかも確認材料になります。
「塗る回数も会社によって違うことがあるんですか。」
「あります。ただ、一般的には下塗り、中塗り、上塗りの3回で組むことが多いですね。」
「3回塗れば、それで大丈夫なんですか。」
「回数だけでは決まらないです。乾かす時間を取っているか、必要な量を使っているかもありますからね。」
「同じ3回塗りでも違うんですね。」
「違いますよ。回数だけ合わせても、薄く塗りすぎたり、乾く前に次を重ねたりすると話が変わります。」
塗装回数は分かりやすい確認項目ですが、それだけで施工品質は判断できません。塗料ごとの施工方法を守っているかも仕上がりに影響します。
「見積もりだけで、そこまで分かりますか。」
「全部は分からないですね。ただ、どういう工程で進めるのかを聞いた時に、きちんと説明があるかは見られます。」
塗料の性能を生かせるかは施工で変わる
「職人さんによって、そんなに差が出るものなんですか。」
「出ますね。同じ塗料を使っても、下地処理や塗り方が違えば結果は変わります。」
「塗る作業って、同じように見えるんですけど。」
「外から見るとそうですよね。でも、このひびをどう直すか、傷んだ塗膜をどこまで処理するか、塗料をどう塗るかで違いが出ます。」
「この細いひびも、塗れば消えるわけではないんですか。」
「先に補修しますよ。その上から塗ります。塗料だけでひびを直そうとはしないです。」
補修が必要な場所を塗料だけで覆っても、原因が残れば不具合につながることがあります。塗る前に何を直すかも施工の一部です。
「手抜き工事というのは、塗る回数を減らすことですか。」
「それもありますね。他にも、必要な下地処理を省いたり、乾燥を待たずに次を塗ったりということがあります。」
「完成した時は分からないんですか。」
「すぐには分からないこともあります。見た目はきれいでも、あとから剥がれや膨れが出ることがありますからね。」
「それが一番怖いですね。」
「だから、塗料だけで決めない方がいいんです。何を使うかと、どう塗るかはセットで見たいですね。」
剥がれや膨れは、塗料そのものだけでなく、下地や施工方法が関係する場合があります。完成直後の見た目だけでは分からない部分です。
「じゃあ、シリコンかフッ素かより、誰がどう塗るかの方が大事なんですか。」
「どちらか一方ではないですね。塗料が良くても施工が悪ければ持ちにくいですし、丁寧に塗っても塗料選びが合っていなければ困ります。」
「両方を見ないといけないんですね。」
「そういうことですね。R様の外壁に合う塗料を選んで、その塗料に合ったやり方で施工する。その組み合わせです。」
「見積もりを見る時は、商品名と工程を見ればいいですか。」
「まずはそこですね。あとは、なぜその塗料なのか、今の外壁にどんな処理が必要なのかを聞いてみると分かりやすいですよ。」
「高い塗料を選ぶだけで決まると思っていたので、見方が変わりました。」
「塗料の価格は大事ですけど、それだけで決める工事ではないんですよ。今日見た外壁の状態も含めて、内容を組んだ方がいいですね。」
外壁塗装は塗料の名前と施工内容を合わせて判断する
外壁塗装では、ウレタン、シリコン、フッ素などの名前が塗料選びの目安になります。一般的なグレードの違いはありますが、同じ種類の塗料でも製品ごとに中身は異なります。シリコンやフッ素の含有量、塗料全体の設計によって性能が変わるため、種類の名前だけで単純に優劣を決めるのは難しいものです。
塗料を比較するときは、メーカー名や商品名、その塗料を選ぶ理由まで確認しておくと内容が見えやすくなります。高いグレードの塗料であっても、今の外壁状態に合っているとは限りません。劣化の程度や外壁材に合わせて、下地処理や下塗りまで考える必要があります。
施工品質も、塗装の持ち方に関わります。洗浄や補修を十分に行うこと、必要な塗装工程を守ること、塗料に合った施工を行うことは、完成後には見えにくい部分です。だからこそ、見積もりでは塗料のグレードだけでなく、どんな工程で施工するのか、その理由を説明してもらえるかも見ておきたいところです。
外壁塗装を長持ちさせるには、良い塗料か、腕の良い職人かのどちらか一方だけでは足りません。住まいの状態に合った材料を選び、その材料の性能を生かせる施工を行うことが必要です。
大野城市南ケ丘をはじめ、太宰府市、筑紫野市、小郡市で外壁塗装を検討されている方は、見積もりに書かれた「シリコン」「フッ素」という名前だけで決めず、どの商品を使い、今の外壁にどんな処理をするのかまで確認してみてください。











