
先日、大野城市乙金にお住まいのS様より、「うちの屋根がアスファルトシングルらしいんですが、普通の屋根と同じように塗装できるのか分からなくて」というご相談をいただきました。
屋根材の名前は聞き慣れないものも多いので、スレートや瓦と違うと言われると不安になりますよね。見た目だけでは傷み方やメンテナンス方法が分かりにくい部分です。
「屋根材の名前を聞いたら、アスファルトシングルと言われたんです。正直、初めて聞きました。」
「そうですよね。スレートとか瓦は聞いたことがあっても、アスファルトシングルはあまり馴染みがないと思います。」
「普通の屋根と何が違うんですか?」
「簡単に言うと、シート状の屋根材なんです。ガラス繊維を芯にして、そこにアスファルトを染み込ませて、表面に石粒が付いている屋根材ですね。」
アスファルトシングルは、北米ではよく使われている屋根材です。日本でも、新築住宅や屋根の葺き替えで採用されることがあります。
「石粒が付いているんですね。見た目が少しザラザラしているのは、それですか?」
「そうです。その表面の石粒が、見た目の雰囲気にも関係しています。洋風の家に合いやすいですし、色や柄の種類もあるので、デザイン性で選ばれることもありますよ。」
「おしゃれな屋根材なんですね。」
「そうですね。軽くて見た目も柔らかい印象になります。ただ、特徴がある分、メンテナンスの考え方も少し違うんです。」
アスファルトシングルは軽量で、防水性も持った屋根材です。屋根材が軽いと建物への負担を抑えやすく、屋根の形が複雑な住宅にも使いやすい特徴があります。
「軽い屋根材なら、良いことばかりに聞こえますね。」
「良いところは多いですよ。ただ、薄い屋根材なので、強い風でめくれたり、端の方が浮いたりすることがあります。」
「風でめくれることがあるんですか?」
「あります。全部の家で起きるわけではないですけど、屋根の端や重なり部分が弱ってくると、風の影響を受けやすくなるんですよ。」
「それは見た目で分かりますか?」
「下からだと分かりにくいこともありますね。屋根の上で見ると、浮きやめくれ、石粒の落ち具合が見えてくることがあります。」
アスファルトシングルは軽くて柔らかい屋根材
「柔らかい屋根材というのが、少し意外でした。」
「瓦みたいに硬いものを想像しますよね。アスファルトシングルはシート状なので、硬い屋根材とは感触も考え方も違います。」
「柔らかいと、割れにくいんですか?」
「そうですね。陶器瓦のようにパキッと割れるタイプではないです。ただ、その分、めくれや浮き、表面の石粒の落ち方は見ておきたいですね。」
アスファルトシングルは、ひび割れに強い一方で、表面の石粒や端部の状態が劣化の目安になります。屋根材ごとに、傷みの出方は変わります。
「石粒が落ちると、何か問題があるんですか?」
「見た目が悪くなるだけではなくて、表面の保護が弱くなることがあります。石粒が減ると、屋根材そのものが日差しや雨の影響を受けやすくなるんですよ。」
「屋根の色が少し薄く見えるのも、それが関係しているんでしょうか。」
「可能性はありますね。色あせなのか、石粒が落ちているのか、汚れなのかは見てみないと分かりません。でも、表面の変化は確認した方がいいです。」
表面の石粒は、屋根材を守る役割も持っています。石粒の落ち方が進むと、屋根材の劣化が進みやすくなる場合があります。
「軽い屋根材だと、地震には良いんですか?」
「重い屋根よりは、建物への負担を抑えやすいですね。そこはメリットの一つです。」
「じゃあ、葺き替えで選ばれることもあるんですね。」
「ありますよ。屋根を軽くしたいとか、見た目を変えたいという時に候補になることがあります。ただ、今の屋根の状態や下地によって合う工事は変わります。」
「うちは今の屋根をそのまま使えるのか、それとも工事が必要なのかが分からないんです。」
「そこは、まず屋根材と下地の状態を見たいですね。アスファルトシングルだからすぐ葺き替え、という話ではないですし、塗装で済む場合もあります。」
屋根のメンテナンスは、屋根材だけでなく下地の状態も関係します。表面が傷んでいるだけなのか、下地まで傷みが進んでいるのかで、選ぶ工事が変わります。
「屋根材の名前だけでは決められないんですね。」
「そうなんです。アスファルトシングルという種類だけで決めるのではなくて、今どんな傷み方をしているかを見て判断する感じですね。」
塗装・カバー工法・葺き替えの違いを見る
「メンテナンス方法としては、塗装もできるんですか?」
「できる場合もあります。ただ、どんな状態でも塗装で大丈夫というわけではないですね。」
「そこが一番気になっていました。塗装で済むなら、その方が負担は少ないのかなと思って。」
「そう考えますよね。軽い劣化や美観を整える目的なら塗装が選択肢になることがあります。でも、屋根材がかなり傷んでいる場合は、塗装が合わないこともあります。」
アスファルトシングルは、状態によって塗装できる場合と、塗装では対応しにくい場合があります。劣化が進んだ状態で塗装すると、仕上がりや屋根材の動きに影響することがあります。
「劣化が進んでいると、塗料がうまく乗らないんですか?」
「そうですね。屋根材が弱っていると、塗料を吸い込みすぎたり、反りや歪みにつながったりすることがあります。だから塗る前の判断がかなり大事なんですよ。」
「塗装って、どの屋根でも同じようにできると思っていました。」
「そう思いますよね。でも屋根材ごとに合う方法が違うんです。アスファルトシングルは特に、表面の石粒や下地の状態をよく見たいですね。」
「カバー工法というのも聞いたことがあります。」
「カバー工法は、今の屋根の上に新しい屋根材を重ねる方法です。下地がしっかりしている場合には、撤去を少なくして工事できることがあります。」
カバー工法は、既存の屋根材を残して新しい屋根材を重ねる方法です。下地が傷んでいる場合には向かないため、事前の確認が必要になります。
「葺き替えとは何が違うんですか?」
「葺き替えは、古い屋根材を撤去して新しくする工事です。屋根材だけではなく、下地まで確認しやすいのが大きいですね。」
「その分、大きな工事になるんですね。」
「そうですね。費用や工期は大きくなりやすいです。ただ、下地まで傷んでいるなら、葺き替えを考えた方がいい場合もあります。」
「塗装、カバー工法、葺き替えで、それぞれ向いている状態が違うんですね。」
「そうなんですよ。軽い傷みなら塗装、下地がしっかりしていて屋根全体を守り直したいならカバー工法、下地まで見直したいなら葺き替えという感じで考えます。」
メンテナンス方法は、費用だけで選ぶと判断が難しくなります。屋根材の傷み方、下地の状態、今後どれくらい住む予定かによって、合う方法は変わります。
「一番安い方法を選べばいいというわけではないんですね。」
「そこなんですよ。安く済ませたい気持ちは自然です。でも、状態に合わない方法を選ぶと、あとで別の工事が必要になることもあります。」
「逆に、必要以上に大きな工事にするのも避けたいです。」
「それも大事です。塗装で対応できる状態なら、無理に葺き替えまで考えなくてもいい場合があります。まずは屋根の状態を見て、どこまで必要かを分けて考えたいですね。」
アスファルトシングルは状態に合わせたメンテナンスが必要
アスファルトシングルは、ガラス繊維を基材にしてアスファルトを浸透させ、表面に石粒を付けたシート状の屋根材です。北米では広く使われている屋根材で、日本でも新築や葺き替えで採用されることがあります。軽量でデザイン性があり、複雑な屋根形状にも対応しやすい一方で、薄い屋根材のため、強風によるめくれや表面の石粒の落ち方には注意が必要です。
メンテナンス方法には、塗装、カバー工法、葺き替えがあります。塗装は、軽度の劣化や美観の回復を考える場合に候補になりますが、劣化が進みすぎている状態では合わないことがあります。屋根材が弱っていると、塗料を吸い込みすぎたり、反りや歪みにつながったりする場合があるため、塗装前の確認が欠かせません。
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる方法です。下地が健全な場合には、撤去を抑えながら屋根全体を保護し直す選択肢になります。葺き替えは、古い屋根材を撤去して新しい屋根材にする方法で、下地まで確認しやすい工事です。下地の傷みが進んでいる場合や、屋根全体を見直したい場合には検討することがあります。
アスファルトシングルは、見た目だけでは劣化の程度を判断しにくい屋根材です。石粒の落ち方、めくれ、浮き、下地の状態を確認したうえで、塗装でよいのか、カバー工法や葺き替えが必要なのかを考える必要があります。大野城市乙金をはじめ、太宰府市、筑紫野市、小郡市でアスファルトシングル屋根の塗装やメンテナンスを検討されている方は、屋根材の特徴と今の状態を合わせて確認してみてください。











