瓦の屋根って塗装は必要なの?

瓦の屋根って塗装は必要なの?

「瓦屋根には塗装が必要ない」と聞いて瓦屋根にした方も多いのではないでしょうか。

粘土で作られた瓦屋根は耐用年数が長く、塗装の必要がないことは確かです。

しかし、瓦屋根と言っても種類は一つではありません。

中には塗装が必要な瓦屋根もあるのですが、知らないまま放置されていませんか?

塗装の必要がない瓦屋根と塗装の必要がある瓦屋根

塗装の必要がない瓦には「いぶし瓦」や「素焼き瓦」などがあります。

古くからある日本家屋や神社仏閣、お城などに使われている屋根です。

陶器の様に耐久性が高く、基本的に瓦自体のメンテナンスは不要とされています。

粘土系の瓦でも塗装をすることは可能で、塗装をする場合は主に色変えを目的としますが、専用の塗料を使ったとしても塗膜が剥がれやすいためあまりお勧めされません。

反対に、スレート屋根同様に塗装を必要とする瓦があります。

それは「セメント瓦」や「モニエル瓦」です。

こちらは粘土を焼き上げているものではなく、セメントや砂、水を混ぜ合わせて作られているため雨水を吸い込んでしまいます。

特にモニエル瓦には「スラリー層」と呼ばれるペースト状のセメントが吹き付けられているのですが、このスラリー層は非常に脆く、通常の塗装ではスラリー層から剥がれてしまうなどのトラブルが多かったために現在では製造されていません。

塗装をする際には劣化したスラリー層を取り除いてから施工しなくてはなりません。

瓦のメンテナンス

セメント瓦やモニエル瓦は粘土瓦程の強度がなく、塗膜が劣化した状態のままでは雨水を吸水したり強度が下がることで欠け・割れを引き起こしたりします。

しかしながら、セメント瓦やモニエル瓦の塗装は難しく、施工を断る業者も中にはいます。

施工が難しいだけでなく、セメント瓦とモニエル瓦で施工方法が異なることや間違えると耐用年数が極端に短くなったり塗膜がすぐに剥がれを起こしてしまうためです。

また、気を付けたいことはモニエル瓦は現在製造されておらず、セメント瓦も製造販売を行っているところが極めて少なく在庫が少ないことから今ある瓦を長く使わなければならない点です。

できるだけ長く使い続ける必要があることを考えるとこまめなメンテナンスが必要不可欠となります。

一方粘土系の瓦でも漆喰のメンテナンスは必要となりますので注意しましょう。

最後に

瓦だからと塗装をしていなかったものの、セメント瓦やモニエル瓦には必要だった!と後から気付く方もいます。

まずはご自宅にどんな屋根材が使われているのかをしっかりと確認したうえでメンテナンスの有無を判断しましょう。

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