
先日、小郡市三沢にお住まいのM様から「外壁を塗り替えたいんだけど、今よりちょっと雰囲気を変えたい」とご相談をいただきました。
お電話の声からも「ただの塗り替えじゃなくて、見た目をスッキリさせたい」というお気持ちが伝わってきました。
お伺いすると、M様は玄関前で外壁を見上げながら話されました。
「もう築15年くらいなんですけど、最近壁の汚れがすごく目立ってきて…。せっかく塗り替えるなら、ちょっと違う感じにしてみたいんですよね。」
「なるほど、せっかくの機会ですから、印象を変えるのもいいですね。デザイン的に少し縦のラインを強調する張り方にすると、スッキリ見えますよ。」
M様は首をかしげながら外壁を触り、「そんなことができるんですか?」と驚かれていました。
指で触ると、うっすらと白い粉がつきます。塗膜が劣化している証拠です。
「この粉は塗装の防水効果が落ちてきているサインなんです。ちょうど塗り替えにいい時期ですよ。」
「やっぱりそうなんですね。なんだか壁がくすんで見えるなって思ってたんです。」
風が少し強く、軒先の影がゆらゆらと揺れていました。私はメジャーを手に、外壁のサイズ感を確認しながら、張り方による見た目の違いを丁寧に説明しました。
見た目を変えるなら張り方向を意識する
点検のあと、M様と一緒に外壁サンプルを並べてみました。
日の当たり方や色味を見ながら、印象を比べていきます。
「同じ色なのに、こっちのほうが細く見える気がしますね。」
「そうなんです。縦のラインを入れると建物が少し高く見えて、スッとした印象になるんです。」
M様はサンプルを光にかざしながら、「ちょっとモダンな感じになりますね」と笑顔を見せました。
その表情を見て、私も思わずうれしくなりました。やっぱりお客様の“こうしたい”が形になる瞬間は、何度経験しても気持ちがいいものです。
「今の横方向の張り方は落ち着いた雰囲気ですが、縦方向に変えると明るく軽い印象になりますよ。デザイン性を出したい方に人気なんです。」
「へぇ~、そんなに変わるんですね。張り替え方だけでここまで違うとは思いませんでした。」
M様の家は南向きで、日差しの当たり方がちょうどきれいに縦の陰影を作る形。私は心の中で「これは縦ラインが映える家だな」と確信しました。
雨仕舞の工夫で安心して長く使える外壁に
デザインの話から、M様はふと気になることを尋ねられました。
「縦に張ると、雨が入りやすくなったりしませんか?家の裏は風が強い日も多くて…。」
「そうですよね、ご心配なところだと思います。縦方向の場合は、継ぎ目の防水をしっかり取るのがポイントなんです。ここを丁寧に仕上げれば大丈夫ですよ。」
私は手元のサンプルを使いながら、ジョイント部分にどんな防水処理を行うかを説明しました。
風が吹くたびにサンプルがカタカタ鳴り、M様は真剣な表情でうなずかれていました。
「なるほど。見えないところが大事なんですね。」
「はい。実はそこが一番の肝なんです。雨が壁の中に入り込まないよう、下地のシートや防水テープを重ねて施工していきます。」
お話を終えるころには、M様の表情もすっかり和らいでいました。
「丁寧に説明してもらえて助かりました」と笑っておられたその笑顔が、印象的でした。
縦張り外壁で失敗しないために知っておきたいこと
外壁を縦方向に張ると、雨水が下へ流れやすく、汚れが残りにくいという利点があります。特に北面や日陰の部分では、コケや雨だれの発生を防ぎやすくなります。また、縦のラインは建物全体を高く、軽やかに見せる効果があるため、今の住宅デザインにもよく合います。
一方で、施工時には雨仕舞を正しく行うことが欠かせません。縦張りは継ぎ目が縦方向に走るため、そこから水が伝いやすくなります。下地に透湿防水シートをきっちり施工し、サッシまわりや軒下の納まりを丁寧に仕上げることで、長く安心して使える外壁になります。
私の経験上、縦張りはデザイン性を高めたい方に非常におすすめですが、見た目だけでなく施工の基本をしっかり守ることが大切です。きちんと手をかければ、10年以上美しさを保てる外壁になります。
小郡市や筑紫野市、太宰府市などで「外壁をきれいにしたい」「家の印象を変えたい」とお考えの方は、まず現地で外壁の状態を見ながら相談してみてください。
張り方ひとつで、お家の雰囲気はぐっと変わります。











