
先日、外壁塗装をご契約いただいている福岡市東区香椎照葉のS様邸へ、チャコールの色決めで伺いました。
濃色の打ち合わせは、どうしても技術的な話が増えます。色そのものより「どう仕上げるか」で出来が変わるので、確認しておきたいことが自然と多くなるんです。
「チャコールって、実際に塗ったらどんな感じになります?」
「黒より優しく、グレーより深い。ちょうど中間の濃さなんです。外壁に陰影が出やすいので、立体感が添えられますよ」
チャコールは明暗の幅が大きく、朝と夕方で見え方が変わるのも特徴です。現地で話すとこの違いが伝えやすいんですよね。
「濃い色ってムラになりやすい印象があって…」
「ムラは出やすいです。塗膜の厚みやローラーの動きがちょっとズレても光が拾ってしまうので、一定のリズムで塗る必要があります」
「そんなに変わるんですか?」
「濃色は色の層が透けにくいので、厚みの差がそのまま見えやすいんです」
濃色の仕上がりは「塗料の色より塗り方」で決まる部分が多いので、この段階で正確にお伝えするようにしています。
外壁の素材とチャコールの相性を確認
「うちみたいな凹凸の外壁でもチャコールはいけます?」
「はい、かなり合います。影が強く出るので、外壁の形がしっかり見えるようになります」
凹凸のある外壁は濃色で劇的に変わることが多く、影が加わることで素材の個性が際立ちます。こういう相性は現場じゃないと判断しにくいところです。
「平らな壁とはまた違うんですね?」
「平らだと光の反射が均一なので、わずかなムラが目立つんです。逆に凹凸があると影が分散して全体が落ち着いた見え方になります」
「なるほど」
色自体が家に合っているかはもちろんですが、こうして素材との相性を見ていくのが色決めの重要なポイントです。
「濃色は熱がこもるって聞きますけど、どうなんです?」
「たしかに温度は上がりやすいですが、遮熱塗料を選べば表面温度の上昇は抑えられます。チャコールでもきちんと効果が出ますよ」
「遮熱って濃い色でも効くんですね」
「効きます。塗膜が反射する赤外線の量が変わるだけで、濃色でも温度差がはっきり出ます」
色選びでは見た目と機能が両立するかを押さえておくと、仕上がり後のギャップがなくなります。
外壁の状態を触診しながら、仕上がりに影響する部分を確認
「ここ、触ると粉がつきますね。これはチョーキングで、塗膜が弱ってきたサインです」
「チャコールだと、この弱り具合は目立ちます?」
「影になりますね。濃色は下地の粗さを拾いやすいので、下塗りで密着と平滑性をしっかり整えます」
濃色は“下地がそのまま見える”というくらい素直に反応するので、触診をしながら補修の順番も考えていきます。
こういう部分は現場経験がものを言うポイントなんですよ。
「この細いひびはどうです?」
「埋めて平らにしておかないと線が残ります。チャコールは明暗が強いので、こういう段差が影になって浮きます」
「ほんのちょっとでも分かるんですね」
「はい。濃色は光の反射が敏感なので、数ミリの段差でも出ます」
補修跡をどこまで処理するかで、完成後の質感は大きく変わります。この工程は、濃色の場合は特に念入りに行います。
「ここも軽い凹みがありますね。補修して整えてから塗ると、色の密度が揃います」
「密度って変わるんですか?」
「変わります。濃色は隅々まで均一じゃないと色が沈んで見える部分が出てしまうので、下地が滑らかだと発色が安定します」
色の深さというのは“塗ってから”ではなく“塗る前の準備”で決まる部分が多いので、この確認は欠かせません。
チャコールを選ぶときの考え方
チャコールは黒より軽く、グレーより深みのある濃色で、外壁の凹凸を立体的に見せる効果があります。光の入り方で表情が変化し、単色でも奥行きが出るため、意匠性の高い外壁と相性の良い色です。
一方で、濃色ゆえに下地の粗さ、補修跡、膜厚のムラが仕上がりに影響しやすく、特に凹凸やひびの処理が重要になります。下塗りの密着性、補修の平滑性、塗布量の均一さといった工程管理が仕上がりの質を左右します。
これらを丁寧に積み重ねることで、チャコール本来の深い発色と引き締まった外観が得られ、濃色ならではの重厚感と品のバランスが実現します。
太宰府市・筑紫野市・小郡市・大野城市・福岡市東区・福岡市早良区で外壁の色選びをご検討中の方は、外壁材や下地状態を踏まえた色の特徴をわかりやすくお伝えします。チャコールなどの濃色をご希望の場合も、仕上がりの差を丁寧にご説明いたします。











