「この外壁、ALCって言うらしいんですけど、普通のサイディングと何が違うんですか?」
太宰府市五条にお住まいのK様から、外壁塗装のご相談をいただいた際にいただいたご質問です。ご自宅は築13年で、3階建ての住宅。打ち合わせの中で、ご自身の外壁材がALCパネルと知ったとのことで、素材の特性や今後のメンテナンス方法について詳しく知りたいとのことでした。
現地での調査では、目地のコーキングに劣化が見られ、一部はひび割れが起きていました。外壁全体にも色あせやチョーキングが確認でき、塗り替えの時期としては適切なタイミングでした。
「そもそもALCってどういう素材なんですか?」
外壁を見ながら、K様が質問されました。
「ALCってコンクリートなんですよね?でも普通のコンクリートより軽いって聞いて…」
「はい、ALCは“軽量気泡コンクリート”といって、セメントや珪石に発泡剤を加えて作られる外壁材です。内部に細かい気泡があることで、軽くて断熱性にも優れています。」
「へぇ、気泡があるんですね。確かに見た目もちょっとザラっとしてる気がします。」
「そうですね。この気泡構造が断熱や耐火性にとても効果的なんです。」
ALCパネルは通常のコンクリートよりも約4分の1の重量で、地震の多い地域でも構造負担を抑えられるため、近年では3階建てや集合住宅にもよく使用されています。
吸水しやすいという特性と、劣化時の注意点
外壁の東側にまわると、日陰になりやすい部分にコケや薄い水染みが確認できました。
「このあたりはALCの特性が出てますね。実はこの素材、水を吸いやすいんです。」
「吸うんですか?表面は硬そうに見えるのに。」
「表面の塗膜やシーリングが劣化していると、目に見えない気泡から水が入ってしまうことがあります。なので、塗装のメンテナンスはとても大切なんです。」
吸水によってパネル内部まで湿気が入り込むと、冬場は凍結によるひび割れ、内部鉄筋の錆びといった深刻な劣化につながることもあるため、特にコーキング部分の劣化には早めの対応が求められます。
「塗り替えるときは、どんな塗料を使えばいいんですか?」
K様は塗装についても具体的にご質問されました。
「ALCの塗装って、普通のサイディングと同じでいいんですか?」
「塗料の種類は基本的に同じですが、防水性が高く伸縮性のあるものを選ぶのがポイントですね。特に水の侵入を防ぐ役割が重要になります。」
今回ご提案したのは、下塗りに密着性の高いフィラー系の塗料を使い、上塗りにはラジカル制御型の高耐候塗料。ALCパネルとの相性も良く、耐久性も確保できます。
「あとは目地部分の打ち替えですね。ALCはパネルの継ぎ目が多いので、コーキングの耐久性が仕上がりに直結します。」
「やっぱり目地が多い分、しっかりやっておいた方が安心ですね。」
「うちは塗るだけで大丈夫なんですか?張り替えたりは?」
現場を確認していく中で、K様が気になる点をもう一つ尋ねられました。
「こういう外壁って、塗装だけで済むんでしょうか?交換とか必要ないですか?」
「今の状態を見る限り、パネル自体には大きな破損や変形もありませんので、塗装メンテナンスで十分対応できます。ただし、ALCは下地の防水層と塗膜が命なので、放置しておくと内部からの劣化が進みやすいです。」
K様邸のように、築10年を超えて最初の塗り替えを迎えるタイミングでは、シーリングの全面打ち替えと防水性に優れた塗料の選定が特に重要になります。
「他にもALCの種類ってあるんですか?」というご質問も
建物を一周した後、最後にK様が尋ねられました。
「ALCって全部同じじゃないんですか?家によって違ったりします?」
「形状や厚み、表面仕上げの違いでいろんな種類があります。たとえば、コーナーパネルや意匠性のある表面加工がされたものもあります。今回のお住まいは、厚形の意匠パネルが使われていますね。しっかりしていて、塗装の下地としても良好です。」
「なるほど…。素材の違いまで考えたことなかったです。」
K様邸では、劣化箇所の補修と全面的なコーキング打ち替えを行い、防水性の高い塗料を使った塗装プランをご提案しました。ALCの特性を踏まえた施工にすることで、今後も安心して暮らせる住まいに整えることができます。
福岡市東区・太宰府市・筑紫野市・大野城市・小郡市で、ALC外壁のメンテナンスや塗り替えをご検討中の方は、ハウジングコートまでお気軽にご相談ください。丁寧な現地調査と分かりやすい説明で、安心してご依頼いただける環境を整えています。