
先日、大野城市川久保のK様より「色選びが難しすぎるので一緒に考えてほしい」とご相談いただき、色打ち合わせを行いました。塗り替えの準備が整ったタイミングで一番悩むのが色。多くの方がここで迷います。
「この色、いい感じですよね。でも外に塗ったら暗く見えたりしませんか?」
「外だとサンプルより明るく見えることが多いです。外壁は面積が大きくなるので色が軽く感じるんです。」
「え?濃い色のほうが重たく見えると思ってたんですけど…」
「紙のサンプルは小さくて影を拾うので少し重く見えます。太陽光が当たる外壁は逆に白っぽく感じやすいんですよ。」
意外かもしれませんが、色選びでつまずく理由の大半は“センスがないから”ではなく“光と面積の違い”です。誰でも迷うので不安になる必要はないんですよね。
「じゃあサンプルより濃い色を選んだ方がいいってことですか?」
「迷うくらいならワントーン濃くする方が失敗が少ないです。完成した時に落ち着いた印象になります。」
「なるほど…その考え方は安心しますね。紙を見てると正解が分からなくなっちゃって。」
「みんなそうです。小さな紙で10年分の景色を想像するのは無理ゲーなんです。」
色選びは理論じゃなく安心感に着地させると、迷いが一気に減っていきます。
外壁は単色で決めない、役割ごとに色を配置する
「外壁も軒も付帯部も全部同じ色にしたらまとまりが出ません?」
「統一感は出ますが家の輪郭が消えます。建物のパーツに少し濃淡をつけて視線の止まる場所を作ると表情が生まれます。」
色は“壁一面の話”ではありません。玄関、帯、サッシ、軒天——人が視線を向ける場所に程よい濃さを置くと建物全体が締まります。家は平面ではなく構造の集合体なので、色は配置で機能するんです。
「玄関まわりだけ濃い色にするのはありですか?」
「一番おすすめです。外壁が淡い色でも玄関に芯ができて全体が落ち着きます。」
「帯の色ってどう考えればいいですか?」
「主張しすぎない程度がいいです。家の“骨格”を目立たせるための色なので塗装後に視線が流れると疲れます。」
「外壁はシンプルでもワンポイントで個性を出すってことですね。」
「そうです。“外壁で主張しない・建物で主張する”。色を戦わせないのが長く好きでいられる方法です。」
色選びの難しさは“何色が正解か”ではなく“どこにその色を置くか”で決まります。ここを理解した瞬間、お客様の顔つきが変わる瞬間があります。
シミュレーションは答えを決めるためではなく迷いを消すために使う
「紙の色見本だけだとどうしても決めきれないんです。」
「シミュレーションを使いましょう。ご自宅の写真に色を乗せられます。」
「このベージュ、建物に重ねて見ると柔らかい感じで安心しますね。」
「そうなんです。色単体ではなく“生活の背景”として存在するから判断が変わります。」
「玄関だけ濃い色にしたパターン、すごくいいです。締まって見えます。」
「それが“似合う色”です。頭で考えるより視覚で落ち着く方が失敗しません。」
シミュレーションは“色を選ぶ”ためではなく“怖さを消す”ためのツール。見るだけで家族の意見が揃い始めます。誰も間違っていないのに言葉で説明すると噛み合わない、シミュレーションはそれを一瞬で解決します。
「家族会議してもまとまらなかったのに、画面で見た瞬間に全員同じ色に決まった理由が分かりました。」
「色は理屈ではなく“落ち着くかどうか”で決めると後悔しません。」
色選びは十年後を見据えて選ぶ
外壁塗装の色は今だけの好みで決めるものではありません。太陽光による色の膨張、付帯部による輪郭の形成、近隣住宅との調和、そしてご家族の生活リズム。どれか一つ欠けても納得感は持続しません。最初の二週間は“理想の色”、その後十年は“馴染む色”を見続けます。変化に耐えられるのは派手さではなく落ち着きです。色を選ぶとは自分の暮らしに寄り添う未来を決める作業です。
大野城市・太宰府市・筑紫野市・小郡市・福岡市・糟屋郡・筑前町にお住まいのみなさん。色選びで迷うのは普通です。資料を見れば見るほど不安になるのも当然です。だから一人で悩まず相談してください。ご家族が毎日見ても疲れない、十年後に「やっぱりこの色で良かった」と言える外壁をご一緒に考えます。











