「レンガの外壁って、塗装できるんですか?なんとなく、そのままの方がいいと思ってて…」
筑紫野市針摺にお住まいのK様から、外壁の点検依頼をいただいたとき、調査の序盤でそんなご質問がありました。築14年目、見た目にはまだきれいなレンガ調の外壁でしたが、表面のツヤが落ちてきたことが気になり始めたそうです。
ご一緒に建物の周囲を見て回りながら、外壁の状態や素材について説明を進めていきました。
本物のレンガ?いいえ、実はサイディング材でした
実際に近づいて外壁を見てみると、表面に細かい凹凸のあるデザインで、遠目にはまるで本物のレンガのような風合いです。
「こちらは、本物のレンガではなく、レンガ調のサイディングですね。窯業系といって、セメントが主成分の外壁材です。」
「やっぱりそうですか!雰囲気が気に入ってるんですけど、メンテナンスってどうなんでしょう?」
「通常のサイディングと同じで、塗膜が劣化してきたら塗装が必要になります。ただ、このデザインの場合は、色付きの塗料だと雰囲気が変わってしまうので、“クリアー塗装”という方法が向いてます。」
外壁の表面を手で軽くなでると、指先に粉がうっすらつく状態。これがチョーキング現象で、塗膜の劣化が進み始めているサインです。
クリアー塗装ができるかどうかの分かれ目
表面の状態を確認しながら、塗装の選択肢についてご説明しました。
「今の状態なら、クリアー塗装できそうですよ。表面の傷みもまだ少なく、デザインもきれいに残っています。」
「クリアー塗装って、透明な塗料ですよね?見た目は全く変わらないんですか?」
「はい、そのままの風合いを保てます。ただ、劣化がもっと進むと、この方法は使えなくなるんです。」
「なるほど…。もしもっと遅かったら、どうなってたんですか?」
「その場合は、意匠を活かすのが難しくなって、全面的に塗り替える形になるかもしれません。ですから、ちょうど今がいいタイミングですね。」
外壁全体をぐるりと回って確認していく中で、西面の一部ではややツヤ落ちが目立つ場所がありました。そこは日当たりが強く、どうしても劣化が進みやすい面です。写真に収めて後ほどご説明することにしました。
本物のレンガと何が違うの?
K様は「レンガ=塗装不要」というイメージを持たれていたそうです。実際、そう思っている方は多くいらっしゃいます。
「本物のレンガなら、塗装ってしなくていいんですよね?」
「そうですね、本物なら塗装の必要はありません。紫外線にも強くて、経年変化を楽しむような素材です。ただ、その分施工費が高かったり、地震に弱かったりという面もあるんです。」
「なるほど…。それでレンガ調の外壁が増えてるんですね。」
「そうなんです。レンガ調サイディングなら雰囲気は出せますし、施工もスムーズ。ですが、塗膜で守られている以上、定期的なメンテナンスは欠かせません。」
見た目を活かすなら、早めの判断がポイント
劣化が進みすぎると、せっかくのデザインが塗装で消えてしまう可能性もあります。そのため、クリアー塗装は「早め」がとても大事です。
「この状態でクリアー塗装をかければ、まだ5年〜10年は十分もちます。次回の塗り替えのときはまた状態を見て判断すればいいですよ。」
「風合いを残せるなら、早めにお願いした方が良さそうですね。」
「はい、お気に入りのデザインを維持したい方には、本当にぴったりの方法です。」
屋根やコーキングの状態も含めて総合的にご説明し、後日あらためてご提案内容をまとめた資料をお届けすることになりました。
自分の家の素材を知ることがメンテナンスの第一歩
外壁の見た目だけでは、素材や必要なメンテナンス方法までは判断できません。現場での丁寧な確認と、正しい素材理解がとても重要です。
特にレンガ調のサイディングは、見た目と機能が一致しづらいため、誤った認識のままだと手遅れになってしまうこともあります。
今回のように、「今のうちならクリアー塗装ができる」というギリギリのタイミングでご相談いただけたのは、K様にとっても良いタイミングだったと思います。
福岡市東区・太宰府市・筑紫野市・大野城市・小郡市でレンガ調の外壁塗装やクリアー塗装をご検討の方は、ハウジングコートへお気軽にご相談ください。状態に合わせたベストな方法をご提案させていただきます。