先日、筑紫野市山家にお住まいのK様から「外壁が雨のたびに膨らんでくる感じがして心配なんです」とご相談をいただき、点検に伺いました。
K様のお宅は築15年。北側の外壁が広く、強い風雨にさらされる位置にあります。玄関先で出迎えてくれたK様は、窓の下を指差して言われました。
「この辺り、雨の後に触ると柔らかく感じるんです。最近は表面の紙のような部分が少し剥がれてきていて…」
「石膏ボードですね。この素材は湿気に弱くて、塗膜が劣化すると水を吸いやすくなるんです。ちょっと触らせてもらいますね。」
指先で軽く押すと、ふにゃっとした感触。塗膜の下にある紙が浮き、石膏が湿気を含み始めている状態でした。さらに下の方には黒ずみも出ており、カビの兆候も見られました。
「この壁、庇が浅いので雨の吹き込みを受けやすいですね。跳ね返りの雨水も影響してるかもしれません。」
「北側だけ早く傷んでる感じがしていて…やっぱり放っておくのは良くないですよね?」
「はい。このままだと石膏ボードの芯まで水が入り、ボロボロに崩れてしまう恐れがあります。今のうちに対策を考えましょう。」
外壁に石膏ボードを使うときの注意点と施工の流れ
現場をさらに見て回ると、目地部分には細かなヒビ(ヘアクラック)が複数あり、そこから水分が侵入している可能性がありました。また、塗膜の浮きが広がりつつあり、通常の塗り替えではカバーできない状態です。
「まずは傷んでいる部分を切り取って、内部の状態を確認します。下地がしっかりしていれば部分補修で済みますが、劣化が進んでいればボードごと交換する必要があります。」
「全部張り替えないとダメだったら大変ですよね。」
「できるだけ必要最小限で済むように判断しますのでご安心を。今回は早めにご連絡いただいたのがよかったですよ。」
その後、補修範囲を確認しながら、下塗りには防水性と柔軟性のあるプライマーを使用し、上塗りには防カビ性・透湿性を持つ塗料を提案しました。
「こうした塗料を使えば、見た目の美しさだけでなく、防水性能も長持ちします。10年は安心していただけると思います。」
「それなら、やっぱり早めに直した方がいいですね。」
雨漏りを防ぐには「表面の塗膜」だけでなく「下地」から対策を
窓下の石膏ボードをよく見ると、表面に波打つようなゆがみが出ており、塗膜の端には細かな割れも確認できました。軽く叩くと、中に空洞があるような鈍い音が響きます。
「これは中に湿気が溜まってますね。表面だけ塗っても、中が濡れてたらまたすぐ同じ症状が出てしまいます。」
「じゃあ、塗装だけじゃだめなんですね。」
「はい。石膏ボードの裏には本来、防水シートが施工されているはずなんですが、重ね目が悪かったり、テープが劣化していたりすると、そこから水が入ってしまうんです。」
窓枠の下には、板金の継ぎ目に小さな隙間があり、そこから雨水が伝ってきた形跡がありました。私たちはそうした“雨の通り道”も丁寧に塞ぎ、湿気を外に逃がせる構造に直す必要があるとお伝えしました。
「下地がしっかりしていてこそ、塗装も意味を持ちます。通気性を確保したうえで、防水性を高めることで、建物が長持ちするんです。」
「表面ばかり気にしてましたが、見えないところこそ大事なんですね。」
「その通りです。下地からしっかり直せば、もう同じような心配をしなくて済みますよ。」
筑紫野市・太宰府市周辺で外壁に違和感を感じたら早めの対応を
石膏ボードは扱いが難しい素材ですが、しっかりとした下地処理と適切な塗装を行えば、外壁材としても十分に機能します。ただ、湿気の多い福岡地域では、ほんの小さなひび割れからでも水が入りやすく、見えないところで劣化が進んでいるケースも多いです。
少しでも「外壁が膨らんでいる」「変色している」と感じたら、なるべく早く専門の職人に相談してください。筑紫野市・太宰府市・小郡市・大野城市・福岡市東区・福岡市早良区にお住まいの皆さま、私たちが直接現場を確認し、安心して過ごせる住まいづくりを全力でお手伝いいたします。