
先日、福岡県筑前町朝日にお住まいのR様より「見積もりで“フッ素が一番長持ちします”って言われたんですが、正直よく分からなくて…高いなら失敗したくないです」とご相談をいただきました。
フッ素塗料は言葉のインパクトが強い分、内容を知らないまま進むと不安が膨らみやすいんですよね。
「フッ素はたしかに耐久性が高い塗料です。ただ、“フッ素なら安心”で即決するのはもったいないので、まずは目的と外壁の状況を一緒に合わせましょう。」
「長持ちって聞くと惹かれるんですけど、金額が一気に上がってて…本当に必要なのかなって。」
「そこ、みなさん迷われます。フッ素は万能というより“条件が合うと強い塗料”なんです。逆に条件が合わないと、費用ほどの満足が出にくいこともあります。」
ここで一度、塗料の話を“家の暮らし方”に戻して考えると判断がしやすくなるんですよね。
「条件って、家の場所とかですか?」
「場所もありますし、住み方や今後の計画も入ります。たとえば“次の塗り替えまでできるだけ触りたくない”とか、“足場を何度も掛けたくない”なら相性がいいです。」
「たしかに、できれば回数は減らしたいですね。」
「一方で、外壁の下地が不安定だったり、先に直すべき劣化があるのに塗料だけ上げても、長持ちの土台ができません。そこは先にお伝えしておきたいです。」
“高い塗料=長持ち”は半分正解なんですが、残り半分は工程と下地で決まる、というのが現場の実感です。
「じゃあ、フッ素が良いかどうかは、塗料だけじゃ決まらないんですね。」
「そうです。塗料は最後の選択肢で、最初に決めるのは“今の状態に何が必要か”なんです。」
高耐久の正体は塗料だけじゃなく紫外線と雨に対する強さ
「フッ素って、どうしてそんなに長持ちするんですか?」
「一番は紫外線や熱で劣化しにくい性質ですね。日差しが強い面ほど差が出やすいです。」
外壁の劣化って、見た目の汚れ以上に“日射のダメージ”が効いていることが多いんですよね。
「うちは南面がずっと日が当たってて、色あせが気になってました。」
「そういうお家は、耐候性の差が体感として出やすいです。フッ素は“塗膜が痩せにくい”ので、ツヤ落ちや粉化が遅くなりやすいんです。」
「粉化って、触ると白い粉がつくやつですよね?」
「そうです。チョーキングですね。そこが早いと、外壁が水を弾きにくくなって、汚れも定着しやすくなります。」
性能の説明は数字だけだとピンと来ないので、症状とつなげて話すと分かりやすくなるんですよね。
「汚れに強いっていう話も聞きました。」
「フッ素は親水性が高いタイプだと、雨で汚れが流れやすい方向に働くことがあります。都市部の排気汚れなんかでは“付きにくさ”がメリットになることもあります。」
「じゃあ、カビとかコケにも強いですか?」
「塗料の設計次第で、防藻・防カビ性が強いものもあります。ただ、日陰や湿気が強い面は、塗料の性能だけでゼロにはできません。だから“つきにくくする”と“点検しやすくする”の両方で考えます。」
「結局、フッ素でもお手入れは必要なんですね。」
「そうです。フッ素だから何もしなくていい、ではなく“劣化の進み方が穏やかになりやすい”が近い表現です。」
耐用年数は目安として便利ですが、商品ごとの設計差と施工条件でズレるのが普通なので、数字を鵜呑みにしないのが大事です。
フッ素を“売り文句”にされないための見積もりの見方
「でも、フッ素を悪用した営業があるって聞いて不安で…。」
「あります。よくあるのは“フッ素だから20年絶対持つ”みたいに断言するケースですね。」
こういう場面ほど、相手を責めるより“見積もりの中身に戻る”のが一番冷静になれますよね。
「断言されると逆に怪しい気がします。」
「感覚、合ってます。実際は、持たせるために必要なのは塗料だけじゃなくて、下地処理と塗り回数と乾燥管理です。」
「乾燥管理って、そんなに影響しますか?」
「かなり影響します。塗料は乾く途中で性能を作っていくので、焦って重ねると密着が弱くなったり、膨れ・剥がれの原因になります。」
「高い塗料を使っても、やり方が雑だと意味がないってことですね。」
「まさにそこです。だから見積もりでは“フッ素”という単語より、メーカー名と製品名、塗る回数、下塗り材の種類、コーキングの仕様まで書いてあるかを見ます。」
見積書って、読むほど不安になる方も多いんですが、逆に“比較の軸”を作ってくれる道具でもあるんですよね。
「製品名まで書いてない見積もりもありました…。」
「それだと比較ができないんです。あと、フッ素は材料が高い分、工程を削って帳尻を合わせる会社もゼロじゃありません。」
「工程を削るって、例えば何ですか?」
「下地処理を軽く済ませたり、下塗りを薄くしたり、乾燥を待たずに進めたりですね。見えない部分なので、言われないと分からないんです。」
「じゃあ、何を質問すればいいですか?」
「“このフッ素の性能を出すために、どの工程が重要で、どこは絶対に省かないですか?”って聞いてみてください。答えが具体的な会社は信頼しやすいです。」
フッ素が向く家と向かない家を見極める実務判断
フッ素塗料は、長期で住み続ける予定があり、塗り替え回数を減らしたい方にとっては非常に合理的な選択になり得ます。初期費用は上がりやすいものの、足場を掛ける回数が減れば、将来的な総額が安定しやすいからです。
ただし、塗料の寿命=家全体の寿命ではありません。外壁材の状態、コーキングの設計、付帯部の劣化スピード、屋根とのバランスなど、住まいは部位ごとに弱点が違います。フッ素だけを選んでも、別の弱点が先に来れば、どこかで手を入れるタイミングが来ます。だからこそ、塗料のグレードは“最後の決断”にして、先に「いまの外壁に必要な補修」と「工程の組み立て」を固めることが失敗しない近道です。
また、フッ素の性能は施工品質に強く依存します。下塗りの選定が合っているか、下地処理が十分か、乾燥時間を守れているか、仕様通りの塗布量を確保できているか。ここが曖昧なまま「フッ素だから長持ち」と言われても、その言葉には根拠がありません。
福岡市東区・太宰府市・筑紫野市・大野城市・小郡市周辺で、外壁塗装や屋根塗装、防水工事を検討していて「フッ素を勧められたけど本当に必要?」「長持ちと言われたけど何を基準に判断すればいい?」と迷っている方は、塗料名だけで決めずに、見積もりの中身と施工の考え方を一緒に確認してみてください。塗料の特徴を正しく理解して、家の状況と将来計画に合う選択ができれば、フッ素は“高い買い物”ではなく“納得できる投資”になります。











