小郡市津古にお住まいのM様から、「外壁塗装の仕上がりはいつ確認したらいいのか分からない」とのご相談をいただきました。築20年のお住まいで、モルタル外壁は南面で色褪せ、北面では細かなひび割れが見られ、表面には粉を吹くチョーキングも出ていました。工事が終わった直後で足場と養生シートに囲まれており、外観は全体的に暗く、仕上がりが分かりにくい状況でした。
「シートに囲まれていると艶も色もはっきりしなくて、綺麗になっているのか心配です。」
「シート越しだと光が入らないので、本来の仕上がりは見えにくいんです。夕方は影が濃くなってムラっぽくも見えますね。」
実際に近くで見ると塗膜は均一に付いていましたが、シート越しでは乾き具合や色が違って見えるため、不安に感じられるのも当然でした。私は「足場解体後に改めて一緒に見て回りましょう」とお伝えしました。
足場解体後に広がった本来の姿
足場を解体した翌日、M様とお住まいを一周しました。晴れた日の光を受けた外壁は明るく艶やかで、シート越しに見ていた印象とはまるで違う姿を見せていました。
「昨日まで暗く見えていたのに、今日は色が鮮やかで艶もはっきり出ていますね。」
「足場とシートの影響で分かりにくかったんです。南面は特に日差しで褪せていましたが、今は均一に仕上がっていますよ。」
「前は触ると粉がついていましたけど、今は指に何も残りませんね。」
「チョーキングが収まって、膜に厚みが出ている証拠です。紫外線に強い塗料なので、前よりも耐久性も期待できますよ。」
南面に立ってみると、以前の白っぽい印象は消え、塗装前にはなかった艶が太陽に反射しているのが分かりました。
倉庫や室外機まわりでの確認
建物の裏側に回ると、倉庫と壁の間の狭い部分がありました。ここは人が入りにくく、光も届かないため仕上がりが分かりにくい場所でした。
「この辺りは、なんだか色が薄いように見えますね。」
「倉庫の陰になっていたので塗料が届きにくかったようです。補修を加えて調整しますね。」
さらにエアコンの室外機の裏側も確認しました。普段は目にしない部分ですが、塗膜はしっかり付いていて、他の場所との差はありませんでした。
「こういう見えにくいところまで見て回れると、仕上がりに安心できますね。」
死角になりやすい場所は仕上がりに差が出やすいものです。実際に歩いて確認することで、全体の完成度を実感していただけました。
北面に残るひび割れ跡の見え方
北面は日当たりが悪く湿気も多いため、工事前は細かなひび割れが目立っていました。補修材を入れて塗装を重ねていましたが、角度によってはその跡がうっすら浮き上がって見える箇所が残っていました。
「この線はやっぱり前のひび割れ跡ですか? 少し気になりますね。」
「はい、下地を補修したうえで塗装していますので強度に問題はありません。ただ光の当たり方で跡が見えることはあります。」
「剥がれてきたりしないんでしょうか。」
「しっかり処理してありますので心配いりません。もし変化が出てきたらまた一緒に確認していきましょう。」
南面と比べて北面は湿気の影響を強く受けるため、仕上がりの見え方も独特でした。
外壁塗装後の仕上がり確認についての考え方
外壁塗装の仕上がりは、足場やシートがある状態では判断が難しく、解体後に建物を一周して初めて本来の姿が見えてきます。南面では紫外線による劣化の改善を確認し、北面では湿気によるひび割れ跡を点検し、倉庫や室外機裏といった死角では塗装の届き具合を見る。方向や環境によって劣化の仕方も仕上がりの表情も異なるため、それぞれに応じた確認が必要です。
外壁をぐるりと回って細かく見ていくことは、単なる工事の確認ではなく、お住まいの健康状態を把握する大切なプロセスです。仕上がり確認を丁寧に行うことで、不具合を早期に見つけられるだけでなく、今後のメンテナンスを考えるうえでの基準にもなります。
福岡市・筑紫野市・小郡市・太宰府市・大野城市・糟屋郡・筑前町とその周辺にお住まいの皆さま。外壁塗装工事の仕上がりやお住まいの状態について気になる点がございましたら、どうぞお気軽にお声かけください。地域に根ざしたサポートで、大切なお住まいを守ってまいります。