
先日、太宰府市観世音寺にアパートを所有されているN様より、「管理会社から雨樋が壊れていると連絡があったので、どこまで直す必要があるのか見てほしい」というご相談をいただきました。
賃貸物件では、オーナー様が日頃から建物の細かな状態まで確認できるとは限りません。入居者様や管理会社からの報告で、初めて不具合に気づくこともあります。
「管理会社から雨樋が壊れてるって連絡が来たんですけど、私も普段ここに来ることが少ないので、どのくらい悪くなってるのかまでは分からなくて。」
「確認すると、破損しているのは3本ですね。傷み方を見ると、何か飛んできて当たったような感じです。」
「3本なんですね。もっと広い範囲なのかなと思ってました。3本だけなら、その部分だけ替える感じですか?」
「同じ雨樋が今も手に入るなら、まずは部分交換を考えられます。ただ、この雨樋はかなり前の商品なので、そこを確認しないと交換範囲までは決められないですね。」
雨樋は一見するとどれも似ていますが、メーカーや商品によって幅や深さ、接続部分の形が違います。壊れている本数が少なくても、既存品に合う部材がなければ、その部分だけを単純に交換できないことがあります。
「雨樋にも商品ごとの違いがあるんですね。私は同じような大きさのものを付ければいいのかなと思ってました。」
「そう思いますよね。ただ、少し寸法が違うだけでもきれいにつながらないことがあります。雨水を流すものなので、無理に合わせるよりきちんと納まるかを見る方が大事です。」
「確かに、直したのにまたそこから漏れたら意味がないですもんね。」
「そうなんです。壊れている3本だけじゃなくて、今付いている雨樋の種類と、ほかの部分の状態も一緒に見ておきます。」
破損箇所だけを見ると部分交換で済みそうでも、実際の工事方法は既存部材との相性で変わります。現場調査では、壊れた場所と残す場所の両方を確認します。
同じ商品がないと部分交換が難しくなることがある
「今付いている雨樋を確認すると、同じメーカーの同じ商品をそのまま用意するのは難しそうですね。」
「もう作ってないということですか?」
「そうですね。築年数が経っている建物だと、当時使われていた商品が廃盤になっていることがあります。」
「そうなると、壊れてる3本だけ違うものに替えるのは難しいんですか?」
「近い商品が使えないかは確認します。ただ、サイズや接続部分が合わないなら、無理に3本だけ替えるのはおすすめしにくいですね。」
同じメーカーでも、昔の商品と現在の商品で形状が変わっていることがあります。名前が違うだけではなく、接続そのものができない場合もあります。
「壊れてないところまで替えるとなると、思ってたより工事は大きくなりますね。」
「そうですね。なので、3本壊れているからすぐ全部交換という話ではないんです。今の雨樋を残したまま、ちゃんとつなげられる方法があるかをまず考えます。」
「部分交換で済むことも普通にあるんですか?」
「ありますよ。同じ商品がまだ手に入って、傷んでいる場所も一部だけなら、その部分だけ交換することもあります。周りがまだ使えるなら、そこまで全部外す必要はないですからね。」
「今回は壊れた本数より、同じものがないことの方が大きいんですね。」
「そうですね。それと、今残っている雨樋も同じ年数が経っています。今回3本だけ何とかできたとしても、次に別の場所が傷んだときには、また同じ商品がないという問題が出てきます。」
部分交換ができるかどうかは、破損の範囲だけでは決まりません。残っている雨樋を今後も使い続けやすいかまで見ておくと、交換範囲を考えやすくなります。
「管理会社からは壊れてるっていう話だけだったので、そこまで考えてなかったです。直せるところだけ直せば終わると思ってました。」
「オーナー様だと、普段から商品名や状態まで見ることはないですからね。現地で確認して初めて分かる部分です。」
今回は今後の補修まで考えて全体交換を検討する
「まだ使えてる雨樋もあるので、全部替えるのは少しもったいない感じもしますね。」
「そこはありますよね。ただ、3本だけ別の商品で無理に納めるより、今後の補修まで考えると全体を新しい雨樋にそろえた方がいいと思います。」
「今回だけ直せても、別のところが壊れたらまた同じことになりますもんね。」
「そうなんです。残っている雨樋も今回壊れた3本と同じ時期のものなので、年数自体は同じように経っています。」
雨樋の全体交換は、すべての部材が壊れてから行うものとは限りません。既存品が廃盤になり、その後の部分補修が難しくなっていることも判断材料になります。
「今使えてるところを残した方が安く済みそうですけど、そのあと何回も工事になるのも困りますね。入居者さんがいるので、工事が増えるのもできれば避けたいです。」
「そうですね。今回の3本だけで考えるか、今後また別の場所が傷んだときまで考えるかで判断は変わります。」
「全体を替える場合は、今と同じような雨樋になるんですか?」
「まったく同じ商品ではないので多少変わりますけど、雨水をきちんと流せるサイズや建物に合うものを選びます。見た目より、きちんと納まって今後も部材を用意しやすいことの方を優先して考えます。」
「それなら分かります。特別今の雨樋の形にこだわってるわけではないので、あとで困らない方がいいです。」
「今回の建物なら、その考え方の方が合っていると思います。今の状態だと、全体交換をした場合の内容で一度見積もりを作るのがよさそうですね。」
交換する商品を選ぶときは、現在の商品とまったく同じ見た目にそろえることより、建物に適した大きさか、施工後も補修しやすい商品かといった点が重要になります。
「最初は3本だけ替える話だと思ってたので、全部って聞いたらちょっと驚くと思います。でも理由を聞けば分かりますね。」
「そこは見積もりのときにも説明しますよ。壊れているのが3本なのに、なぜ全体交換を考えるのかが分からないままだと判断しにくいですからね。」
「管理会社にも説明することになると思うので、その理由が分かるようになっていれば助かります。」
「分かりました。今の雨樋が廃盤になっていることと、部分交換した場合にどういう問題が残るかまで分かるようにしておきますね。」
見積もりでは金額だけでなく、なぜその工事範囲になったのかが分かることも重要です。特に所有物件では、オーナー様から管理会社へ内容を共有する場面もあるため、交換理由まで確認しておくと話がつながりやすくなります。
雨樋交換は破損箇所だけでなく既存部材まで確認する
アパートの雨樋に不具合が出た場合、オーナー様自身が現地で最初に気づくとは限りません。入居者様から管理会社へ連絡が入り、そこからオーナー様へ報告されて現場調査につながることもあります。そのため、最初の相談時点では「雨樋が壊れている」ということしか分からないケースもあります。
雨樋が数本破損していても、その本数だけを交換できるとは限りません。築年数が経った建物では、現在使われている商品がすでに廃盤になっており、同じ部材を用意できないことがあります。
同じ商品が手に入り、周囲の雨樋にも問題がなければ、傷んだ場所だけを部分交換する方法もあります。反対に、別の商品では接続が難しい場合や、古い雨樋を残すことで今後も同じ問題が続く場合は、全体交換を検討することになります。
今回のアパートでは、飛来物の影響で3本の雨樋が破損していました。ただ、交換範囲を考えるうえで大きかったのは破損した本数ではなく、現在付いている雨樋と同じ商品を仕入れることが難しかったことです。残っている雨樋も同じ年数が経っているため、今後の補修のしやすさまで含めて全体交換を考える形になりました。
全体交換と聞くと、まだ使えている部分まで替えることに疑問を感じることもあります。だからこそ、なぜ部分交換ではなく全体交換を考えるのか、既存部材を残した場合にどのような問題があるのかまで説明を受けてから判断する方が納得しやすくなります。
太宰府市観世音寺をはじめ、筑紫野市、大野城市、小郡市、春日市、福岡市、朝倉郡周辺で所有物件の雨樋について入居者様や管理会社から連絡を受けた場合も、まずは現地で破損箇所と現在使われている雨樋を確認してもらうと、部分交換で済むのか、全体を見直した方がよいのか判断しやすくなります。











