
先日、大野城市川久保のS様より「今塗ってもらっている途中なんですが、塀もついでに塗れますか?」というご相談をいただきました。
「もちろん気になるところがあればいつでも言ってくださいね。でもまずは、どんな場所か教えていただけますか?」
「家が綺麗になると、前は気にならなかった部分が急に古く見えてきちゃって…。せっかくだし塀も塗れたらなって。」
こういうお声、本当に多いんです。
外壁や屋根がきれいになっていくと“周りとのギャップ”が急に気になるのは自然な流れなんですよね。
「お気持ちよく分かります。でも、場所によっては素材の関係で塗れない場合もあるんですよ。」
「え、そうなんですか?どこでも塗れるわけじゃないんですね。」
実はこれ、現場ではよくある会話です。
“塗れると思っていた場所が、実は塗装に向かない素材だった”というケースは非常に多いんです。
塗りたい場所が“塗れる場所”とは限らない理由
「じゃあベランダの笠木もお願いできたりします?」
「笠木は素材によって変わるんですけど…S様のところはアルミですね。アルミは塗れなくはないんですが、正直剥がれやすいんです。」
「そうなんですか?見た目だけならいいかなと思ったんですけど。」
「その気持ちも分かります。でも半年〜1年で剥がれてしまうこともあって…。そうなると逆に気になってしまいます。」
ベランダの笠木は見た目は塗れそうでも、アルミ・ステンレスなど“塗装に密着しにくい素材”がよく使われています。
無理に塗れば確かに見た目は良くなるものの、すぐ剥がれてしまって結局損をしてしまうケースが多いんです。
「じゃあやめておいたほうがいいんですね…。」
「長持ちを考えるとおすすめはしません。でも“どうしても色を統一したい”という場合は、剥がれやすいことを前提として塗ることはできますよ。」
お客様の希望を否定するのではなく、メリット・デメリットを丁寧にお伝えする。
これが現場ではとても大切になります。
「余った材料で塗ってほしい」の落とし穴
「じゃあ、もし塗料が余ったら塀だけ塗ってもらうとかってできますか?」
「気持ちはすごくわかるんですが、材料が余っても同じ塗料をどこにでも使えるわけではないんです。」
「え、そうなんですか?余ってるならもったいない気がして…。」
「たしかに“ついでに使ってほしい”というお気持ちは分かります。でも、塀の材質が外壁と違う場合は塗料が合わず、すぐ剥がれたり膨れたりしてしまうこともあるんです。」
こうした誤解も本当に多いんです。
外壁用の塗料は外壁に合わせた専用の塗料で、素材が違えば密着しないこともよくあります。
プロとしては、合わない材料でサービス塗装をすることはトラブルの元になるため避けたいところです。
「じゃあ、どこなら塗れるかって見てもらえるんですか?」
「もちろんです。素材を確認して、使える塗料かどうか判断してからになります。合うものならサービスでできる範囲をご提案しますね。」
ちょっとした一言ですが、“相談してもらえる関係”が何より大切なんです。
サービス塗装を頼む前に知っておきたい基本
外壁塗装が始まると、家全体が新しく見え、今まで気にならなかった場所が急に古く感じることがあります。
そこで「ここもついでに…」という気持ちが出るのは自然なことです。
ただ、塗装は“素材との相性”がとても重要で、見積もりに入っていない場所は塗れないケースも多くあります。
理由は、その素材が塗装不可だったり、外壁用の塗料と合わなかったりするためです。
無理に塗れば不具合の原因にもなりかねません。
追加塗装をお願いしたい時は、まずは現場スタッフに「ここは塗れる素材か?」と相談するのが間違いのない方法です。
素材と塗料の相性を確認したうえで、可能な範囲をご提案できますし、必要であれば専用塗料での追加見積りもご案内できます。
どんな場所でも塗れるわけではありませんが、相談していただければ最適な方法をご案内できますので、気になるところがあれば遠慮なく声をかけてください。











