「瓦屋根は定期的な塗装が不要だから」と選んだ方もいるかもしれません。しかし、瓦の中でもセメント瓦やモニエル瓦には定期的な塗装が必要です。
知らずに長期間メンテナンスを怠っていた方もいるのではないでしょうか。これらの瓦には、通常の屋根塗装とは異なるポイントがあります。今回は、その注意点と正しいメンテナンス方法について解説します。
塗装を怠るとどうなる？
セメント瓦やモニエル瓦は、主成分がセメントでできています。これらの瓦の塗膜が劣化すると水を吸収しやすくなり、内部のカルシウム成分が溶け出してしまいます。このカルシウムが流れ出ることで、以下のような問題が発生します：
- 強度の低下により、瓦が割れやすくなる
- 防水性能の低下による雨漏りリスクの増加
一度失われたカルシウムを元に戻すことはできません。そのため、定期的な塗装で防水性能を維持し、瓦を長持ちさせることが重要です。
セメント瓦とモニエル瓦の塗装で気を付けるべきこと
セメント瓦やモニエル瓦は、塗装が必要であるにもかかわらず、塗装を断る業者がいることをご存じですか？
これは以下の理由によるものです：
- セメント瓦とモニエル瓦の見分けが難しい
- モニエル瓦の特殊な施工法
- 施工難易度の高さ
瓦の見分け方
セメント瓦とモニエル瓦は非常によく似ていますが、小口（瓦の端）部分を確認することで簡単に見分けることができます。
- セメント瓦：小口が滑らか
- モニエル瓦：小口に凸凹がある
モニエル瓦の施工の難しさ
モニエル瓦は表面にスラリー層と呼ばれる特殊な着色層があります。この層は、塗料の付着を阻害するため、スラリー層を取り除くまたは強化することが必要です。
もしこの処理をせずに通常の施工を行うと、塗料が剥がれやすくなるという問題が発生します。そのため、モニエル瓦を正しく塗装するには、専門知識と高い技術が求められます。
モニエル瓦のメンテナンスが特に重要な理由
モニエル瓦は製造が中止されており、在庫もほとんどない状況です。そのため、割れてしまった場合の交換が難しく、今ある瓦をできるだけ長く使用することが重要です。
定期的な塗装で保護層を維持し、瓦の寿命を延ばすことが求められます。
最後に
セメント瓦やモニエル瓦は、他の屋根材と比べて定期的なメンテナンスが特に重要です。適切な塗装を施すことで、これらの瓦を長く使い続けることができます。
「メンテナンスが必要だと知らなかった」という方も、まずは専門業者に点検を依頼し、正しいケアを始めてみましょう。
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