太宰府市五条にお住まいのM様から、見積もりのご依頼をいただき、現場調査に伺いました。
外壁は金属サイディングで、表面には細かい擦り傷や、窓周りにうっすらと赤茶色の錆がにじんでいます。門柱横の外壁には、日焼けによる色の差もはっきりと出ていました。
「前回の塗装でちょっと高いフッ素塗料を使ったんですけど、思ったより早く劣化してきてて…これって普通なんですか?」
「塗料自体の性能は高いんですが…ちょっと見てもらっていいですか?」
表面を指でなぞると、つるつるとした感触が残り、塗料がのりにくい加工がされているのがわかります。
「こういう加工面は、そのままだと塗料が密着しにくいんです。前回は下地処理が弱かった可能性がありますね」
塗料と外壁材の相性が耐久性を左右する
家の南側に回ると、直射日光の当たりやすい面だけ色あせが進み、塗膜が薄くなっていました。北側は逆に湿気でうっすらと緑色の苔がついています。
脚立を使って目地の部分を近くで見ると、コーキングが硬化して細かく割れていました。
「例えばモルタル外壁ならひび割れ防止のために弾力のある塗料を使いますが、M様のお宅のように金属系だと、まず表面の状態を整えることが大事です」
「下地処理って、やっぱりそんなに大事なんですね」
「ええ。古い塗膜や錆をしっかり落としてから専用プライマーを使わないと、塗った直後はきれいでも数年で剥がれてしまいます」
庇の下部分に前回の塗膜が浮いている箇所を発見。爪で軽く押すとパリッと剥がれ、下から金属の地肌が見えます。さらに雨樋の裏側には小さな錆の筋が伸びていました。
「こういうの、あちこちで見かけるんです…」
「これはまさに密着不良ですね。こうした部分は錆を落として防錆処理をしてから塗る必要があります」
さらにバルコニー下に回ると、普段雨がかかりにくいはずの場所になぜか黒ずみと塗膜の膨れがありました。
軽く押すとブヨブヨとした感触があり、中に水分がたまっているのがわかります。
「これは湿気が抜けずに塗膜の下にたまった状態ですね。おそらく前回の塗料が外壁と合っていなかったか、施工時に乾き切っていなかった可能性があります」
「見えないところにこういう状態があるのは怖いですね…」
「見積もりでは、こういう箇所もすべて洗い出して補修内容に反映します」
家の北東角に差しかかると、給湯器裏の壁にも同じような膨れが見つかりました。給湯器の熱と湿気がこもることで劣化が進みやすい場所です。
「こういう設備周りも傷みやすいんです。施工の時はこの部分だけ塗料の種類を変える方法もありますよ」
「そんなこともできるんですね」
高性能塗料=万能ではない、という落とし穴
玄関ポーチ横の壁は、南側ほど色あせてはいないものの、近くで見ると細かな傷や汚れがありました。
見積もり用に写真を撮りながら、屋根との取り合い部分やバルコニーの笠木も確認します。日陰になる場所では前回の塗膜がわずかに膨らんでいました。
「“高性能=どんな外壁にも合う”と思われがちですが、実際は相性次第です」
「たしかに、塗料の性能だけで選んじゃいました…」
「外壁材や環境に合っていないと、フッ素や無機塗料でも本来の力は出ません。今回のように南側の日差しと北側の湿気、両方に耐えられる塗料を選ぶことが重要です」
「じゃあ、塗料の種類だけじゃなく、家全体の環境を見て決めないといけないんですね」
「そうです。さらに今回は、金属部分の防錆と、北面の防カビ性能も考えたプランを作ります」
失敗しないための塗料選びと相談の大切さ
調査を終え、玄関先でM様に結果をご説明しました。
外壁の状態を写真でお見せすると、普段見えない高い位置の錆や塗膜の剥がれに驚かれていました。
「こんなところまで傷んでるとは思いませんでした…」
「こういう部分も放置すると傷みが広がりますから、次はきちんと下地処理をして、相性のいい塗料を使いましょう」
「今回は納得いくまで相談させてください」
「もちろんです。一緒に、お住まいに最適な塗料と施工方法を考えていきましょう」
耐久性のある塗装を実現するには、塗料の性能だけでなく、外壁との相性、下地処理、施工環境まで総合的に考えることが大切です。
現場で細かく状態を確認することで、初めて本当に家を守る塗装計画が立てられます。
太宰府市・筑紫野市・大野城市・小郡市で外壁塗装・屋根塗装・防水工事をご検討中の方は、経験豊富なハウジングコートへご相談ください。
お電話・メールどちらでも承っております。見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。