先日、筑紫野市紫にお住まいのT様から「外壁を石っぽくしたい」というご相談をいただき、現地に伺いました。築15年ほどの2階建て住宅で、モダンなデザインが目を引く立派なお住まいです。T様は玄関前で出迎えてくださり、開口一番こうおっしゃいました。
「この家、建てた時はかなり気に入ってたんですよ。でも最近、壁が色あせてきて…なんとなく安っぽく見える気がして。石を貼ったみたいな外壁ってできるんですか?」
「それ、石調仕上げっていう塗装で可能なんです。本物の石を貼るより軽くて、費用も抑えられますし、見た目もすごくリアルですよ。」
「へえ、塗装でそんなことができるんですか。なんか、高いオプションってイメージがあったんですけど。」
「もちろん普通の塗装よりは少し手間がかかりますけど、下地さえしっかりしていれば施工は可能です。今日は外壁の状態を見ながらご説明しますね。」
チョーキングとひび割れを確認しながらのご説明
私はさっそく外壁に触れて状態をチェックしました。指先に白い粉がつくのを見せながらT様に説明します。
「これが“チョーキング現象”です。塗膜が劣化してる証拠で、防水性がかなり落ちてる状態ですね。」
「たしかに、粉がすごいですね。こういうのって、放っておくとどうなるんですか?」
「放置すると、雨水がじわじわ壁の中に染みこんで、外壁材そのものが傷んできます。ひび割れも広がりやすくなって、最終的に補修費用が余計にかかることもあるんですよ。」
私たちは建物の周囲をぐるっと回りながら、北面の黒ずみや細かいひび割れなども確認しました。T様は外壁を指差しながら、さらに質問されました。
「このひび、よく見ると細かいのがあちこちにありますね。石調仕上げって、こういうひびも隠せます?」
「軽微なひびなら隠せますが、深いクラックはしっかり補修してから塗る必要があります。石調塗料は厚みがあるので見た目の凹凸は出せますが、下地が悪いと塗膜が割れたり剥がれたりしやすいんです。」
「なるほど…。じゃあ、ただ塗るだけってわけにはいかないんですね。」
石調塗装の種類と仕上がりの違いを解説
「石調塗料って一言で言っても、御影石風、砂岩風、大理石風などいろいろな質感があります。粒の細かさや色味で印象もかなり変わりますよ。」
「へぇ、それは面白いですね。色は選べるんですか?」
「選べますよ。ただ、カタログだけだとイメージしにくいので、実際の塗り板サンプルを持ってきて見てもらった方がいいです。光の当たり方で全然違って見えるんですよ。」
「たしかに、カタログだけじゃ分かりづらいですもんね。」
「あと、表面に凸凹があるぶん、汚れが付きやすいというデメリットもあります。なので、仕上げにクリアの保護塗料を塗ってあげると、見た目も長持ちします。」
「おお、そういう工夫もあるんですね。ちなみに…塗るときってローラーですか?」
「いい質問ですね。石調は基本的にスプレーで吹き付けていきます。ローラーではあの独特の風合いは出ないんです。吹き付けたあとにコテやローラーで微調整することもあります。」
石調塗装を長持ちさせるために重要なこと
石調塗装は見た目の高級感に惹かれて選ばれる方が多いですが、それを長く維持するには「下地の補修」と「施工技術」が欠かせません。
塗料に含まれる骨材が塗膜に厚みを出すため、下地がデコボコだと模様がきれいに出ませんし、施工ムラも起きやすいです。吹き付けの技術が未熟な業者だと、模様が不自然になったり、塗膜が垂れてしまうこともあります。
また、仕上げに防汚性のあるクリア塗装を重ねることで、雨だれや汚れの定着を防ぎ、美しさを長く保つことができます。
そして何よりも、次回の再塗装のことまで考えておくと安心です。石調塗装は凹凸があるため、通常の塗料では上塗りが難しいことがあります。同じ仕上げを重ねるか、いったん均してから新しい塗料を塗る必要があるため、その分の費用も念頭に入れておくと良いでしょう。
T様は説明を聞いたあと、「なんだか石張りよりずっと現実的で、しかも本格的なんですね。お願いする方向で考えます」と笑顔でおっしゃってくださいました。
太宰府市、筑紫野市周辺で外壁の雰囲気を変えたいとお考えの方には、この石調塗装、選択肢としてかなりおすすめです。私たちがしっかりとご案内いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。