
先日、福岡県筑紫野市二日市北にお住まいのS様より
「外壁と屋根、そろそろ何かしないといけないとは思っているんですが、塗装だけで足りるのかが正直分からなくて」
とご相談をいただきました。
築15年を過ぎると、外壁の色あせや屋根の汚れが少しずつ気になり始めますよね。普段は意識していなくても、周囲で工事をしている家が増えると、自然と目が向くものです。
「このタイミングで悩まれる方は多いですよ。」
「やっぱり皆さん同じように迷うんですね。」
「塗装でいいのか、それとも別の工事を考えたほうがいいのか、そこで止まる方が多いです。」
外壁や屋根のメンテナンスは、見た目だけで判断するとズレやすいんですよね。だからこそ、言葉の整理が必要になります。
「調べてみたら、張り替えとか葺き替えとか出てきて余計に分からなくなって。」
「情報が増えるほど、判断が難しくなりますよね。よくあるのは、まだ塗装で十分なのに大きな工事を考えてしまうケースと、逆に塗装では足りない状態なのに先延ばししてしまうケースです。」
「どちらも避けたいです。」
塗装と張り替えの本質的な違い
外壁のメンテナンスと一口に言っても、工事の目的は一つではありません。ここを誤解したまま話が進むと、判断を間違えやすくなるんですよね。
「塗装と張り替えは、同じメンテナンスでも役割が違います。」
「見た目がきれいになるのは同じですよね。」
「そうですね。ただ、塗装は今ある外壁や屋根をそのまま使って、これ以上劣化しないようにする工事です。今の状態をできるだけ長く保つ、という考え方になります。」
塗装は“新しくする工事”ではありません。だからこそ、下地の状態が重要になるんですよね。
「延命、という感じでしょうか。」
「そのイメージが一番近いです。下地が健全であれば、塗装はとても効果的です。」
一方で、表面がきれいでも内部が弱っているケースもあります。ここは実際に現場を見ないと分かりません。
「張り替えはどう違うんですか?」
「張り替えや葺き替えは、傷んだ建材を撤去して新しい材料に替える工事です。費用や工期はかかりますが、内部まで一度リセットできるのが特徴ですね。」
「同じメンテナンスでも、考え方が全然違いますね。」
屋根が判断を分ける理由
屋根は、外壁よりも判断が難しい部分なんですよね。普段なかなか見ない分、劣化に気づきにくい場所です。
「屋根は外壁よりも傷みが早いことが多いです。」
「確かに、屋根の状態はあまり見ないですね。」
「紫外線や雨風を直接受け続けるので、どうしても劣化が進みやすいんです。」
築20年前後になると、屋根材の割れや、防水シートの劣化が出始めるケースが増えてきます。
「そのくらいだと、塗装で対応できるんでしょうか。」
「軽度であれば可能ですが、注意点があります。」
屋根の場合、表面だけを見て判断してしまうと失敗しやすいんですよね。
「塗装は防水性を補う工事なので、すでに水が入り込んでいる状態だと正直なところ限界があります。」
「雨漏りがあると塗装では足りない、ということですね。」
「そうです。その場合は、葺き替えを前提に考えることが多くなります。」
「カバー工法という方法もありますよね。」
「下地がしっかりしていれば選択肢になりますが、劣化が進んでいる場合は向きません。」
屋根材選びと将来負担
工法の話が出ると、次に考えるのが屋根材です。どの材料を選ぶかで、今後のメンテナンスの考え方も変わってきます。
「葺き替えを検討する場合、屋根材選びも重要になります。」
「瓦も候補に入りますか?」
「はい。陶器瓦は耐久性を重視される方に選ばれることが多いですね。」
陶器瓦は初期費用が高めですが、塗装が不要なため、長い目で見ると手入れの回数が少なくなります。
「瓦って雨漏りしやすいイメージがあって。」
「実際の雨漏り原因は、瓦そのものより下地の防水シートが劣化しているケースがほとんどです。」
屋根材が何であっても、防水の要は下地です。ここは共通なんですよね。
「立地条件や台風の影響は確認が必要ですが、長く住む予定なら検討する価値はあります。」
「将来のことを考えると、選択肢としてはありですね。」
工法選択は将来設計で決まる
外壁や屋根のメンテナンスは、「塗装か張り替えか」という単純な二択ではありません。
今どこまで劣化が進んでいるのか、そしてこれからどれくらい住み続けるのか。この2つを合わせて考えることが大切です。
軽度な劣化であれば、塗装は費用対効果の高いメンテナンスです。防水性を回復させ、見た目を整え、住まいを守る役割を果たします。一方で、下地や建材が寿命を迎えている場合、塗装は一時的な対処にしかなりません。
また、「数年後に建て替えを考えている」「将来は住み替えも検討している」など、今後の暮らし方によって選ぶ工事は変わります。今だけを見るのではなく、少し先まで考えることが後悔しないポイントです。
筑紫野市・太宰府市・大野城市・小郡市・福岡市周辺で、外壁や屋根の工事に迷われている方は、塗装ありきで決めてしまわず、まずは今の状態を正しく知ることから始めてみてください。それが結果的に、無駄のない工事につながります。











