
筑紫野市原田にお住まいのI様から、「外壁の柄を残したまま塗装できるのか」というご相談をいただきました。築16年のご自宅は、レンガ調のサイディングが印象的で、外観の雰囲気をとても気に入っておられます。南面に立つと、日差しを強く浴びた外壁は白っぽく色が抜け、触れると粉が手につくチョーキング現象がはっきり確認できました。
「このレンガの柄が好きで建てたんです。塗装で消えるのは嫌なんですよ。」
「お気持ちよく分かります。普通の塗装だと柄は隠れてしまいますが、クリア塗装ならデザインを残したまま表面を守ることができます。」
「透明の塗料なんてあるんですね。でも、傷んだ部分はどうなるんですか?」
「クリアは透明なので、補修跡や褪色はそのまま残ります。ただ、この南面はまだ柄がくっきりしていますから、今ならきれいに仕上がりますよ。」
外壁を光にかざすと、褪色は進んでいるものの艶がわずかに残っていました。I様は粉のついた手を見ながら、少し安心されたように「今なら間に合うんですね」と笑顔を見せられました。
外壁を一緒に見て歩きながら確認したこと
建物の裏手に回ると、北面は空気がしっとりとしており、目地には黒ずみや緑のコケが入り込んでいました。日差しが当たらないため、湿気が長く残る環境です。
「ここは南側と全然違いますね。暗く見えるし、ざらついてます。」
「そうなんです。北側は湿気が溜まるのでコケが出やすいんです。クリアでは汚れや跡は隠れませんので、洗浄でどこまで落ちるかが大事になります。」
「洗っても残るようなら、仕上がりに影響しそうですね。」
さらに西面に回ると、サイディングには雨だれの跡が縦に筋を引いて残っていました。表面を指でなぞると、ざらりとした感触がありました。
「この黒い筋も残っちゃうんですか?」
「洗浄でだいぶ薄くなりますが、完全に消すのは難しいかもしれません。」
「なるほど…。こうして歩いて見ると、方角ごとに違いがはっきり分かりますね。」
南面の褪色、北面のコケ、西面の雨だれ。会話をしながら歩くことで、I様にも外壁の劣化の特徴を実感していただけました。
クリア塗装が難しいときに考えられる選択肢
一通りの確認を終えたあと、I様は少し考え込むようにして質問されました。
「もしクリアが難しいと判断された場合は、どうすればいいんでしょうか。」
「その場合は、色付き塗装で全体を覆ってデザインを一新する方法があります。あるいは補修跡が軽ければ整えてからクリアで仕上げることも可能です。」
「色を変えれば確かに跡は隠れますね。でもやっぱりこの柄には愛着があるんです。」
「お気持ちはよく分かります。ただ、補修跡や汚れが強いとクリアだと逆に目立ってしまいます。その場合は色付きの方がきれいに仕上がります。」
「難しい選択ですね…。残したい気持ちと、きれいにしたい気持ちの両方があります。」
外壁の一部には細い補修跡が残っていて、夕方の光の角度では筋のように浮かび上がっていました。その跡を見ながら、I様は「これが残るのはちょっと気になるな」と率直なお気持ちを漏らされました。
工事の流れと費用についての具体的な話
現場を一周したあと、I様からは工事の流れと費用についての質問がありました。
「工事は具体的にどんな流れになるんですか?」
「まずは高圧洗浄で外壁全体をきれいにします。そのあとクリア塗料を2回塗り、最後にコーキングの打ち替えを行います。」
「普通の塗装より工程が少ないように感じますが、費用も安くなるんですか?」
「そう思われがちですが、実際には補修や細かな作業が多くなるので費用は色付き塗装とほとんど変わりません。」
「そうなんですか。安くなると思っていたので意外でした。」
「ただ、費用が同じでも柄を残せるのはクリア塗装ならではのメリットです。」
「なるほど。同じならやっぱり柄を残したいですね。説明を聞いてイメージがつきました。」
工事の流れを外壁を指差しながら説明することで、完成後の仕上がりを具体的にイメージしていただけました。
クリア塗装を検討する際に大切なこと
クリア塗装は、サイディングの柄や質感をそのまま残したい方に最適な方法です。しかし透明ゆえに汚れや補修跡は隠れず、外壁の状態がそのまま反映されます。
今回のI様邸でも、南面は紫外線による褪色、北面は湿気によるコケ、西面は雨だれ跡と、それぞれに異なる劣化が見られました。外壁の状態を細かく確認し、クリア塗装で仕上げられるのかどうかを見極めることがとても重要です。
「今の柄を残したい」という思いを叶えるには、劣化が軽いうちに施工を行うこと。これがクリア塗装を成功させるための一番のポイントです。
太宰府市・筑紫野市・小郡市・大野城市・福岡市東区・福岡市早良区とその周辺にお住まいの皆さま。外壁の柄を残したい方、クリア塗装をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。地域に根ざしたサポートで、大切なお住まいを守ってまいります。











