福岡県大野城市南ヶ丘にお住まいのY様から、「屋根の色あせが気になっていて、塗装って必要なんですか?」というお問い合わせをいただきました。
築30年以上のお住まいで、これまで外壁塗装は何度かされていたそうですが、屋根は「瓦だからメンテナンス不要だと思っていた」とのことでした。
「こんにちは、本日はお時間いただきありがとうございます。屋根の状態を一緒に確認していきましょう。」
「はい、よろしくお願いします。正直、瓦ってずっと手入れしなくてもいいって思ってたんです。でも最近、屋根の表面がザラザラしてて気になって…。」
見た目は瓦でも、塗装が必要な屋根材とは?
屋根に上がって確認すると、使用されていたのはセメント瓦。遠目では陶器瓦と見分けがつきにくいのですが、表面の塗膜が完全に劣化しており、撥水性がほとんど失われている状態でした。
「Y様のお宅の屋根はセメント瓦ですね。これは塗装でのメンテナンスが必要なタイプなんです。」
「えっ、そうなんですか?瓦って全部、塗らなくてもいいものかと…。」
「そう考えている方、多いですよ。でもセメント瓦やモニエル瓦は、定期的に塗装して保護してあげないと、どんどん水を吸って劣化してしまうんです。」
塗装を怠るとどうなるのか?
セメント瓦はセメントを主成分として成形された屋根材で、表面に施された塗膜によって防水性を確保しています。この塗膜が紫外線や風雨にさらされ続けると、やがて粉を吹いたように白化し、瓦そのものが水を吸い込むようになります。
「塗膜が劣化してしまうと、水分を含みやすくなって、内部のカルシウム成分が流れ出てしまうんです。」
「それが進むと、どうなっちゃうんですか?」
「瓦の強度が落ちて、割れやすくなってしまいますし、防水性も失われるので、雨漏りのリスクも高まります。」
「なるほど…見た目以上に深刻なんですね。」
モニエル瓦はさらに注意が必要
さらに詳しくお話を伺うと、以前に「モニエル瓦かも」と言われたことがあるとおっしゃっていました。そこで、小口(瓦の端)の形状を確認すると、表面にざらつきのある層があり、確かにモニエル瓦の特徴が見られました。
「こちらはモニエル瓦の可能性が高いですね。見た目はセメント瓦と似ていますが、表面に“スラリー層”という特殊な着色層があるんです。」
「それって、塗装には影響あるんですか?」
「大ありです。スラリー層は塗料の密着を邪魔するので、これをしっかり処理しないと塗料がすぐに剥がれてしまうんですよ。」
「そんなにデリケートなんですね…。知らずに普通の塗装をしたら、意味がないってことですか?」
「そうなんです。実際、モニエル瓦は技術的に難しいので、塗装を断る業者さんもいるくらいです。」
今はもう製造されていない屋根材だからこそ大切に
モニエル瓦は現在、日本国内では製造が終了しており、交換用の在庫もほとんど出回っていません。つまり、割れてしまった場合の差し替えが非常に難しい素材なのです。
「だからこそ、今ある瓦を長く使っていくには、適切なメンテナンスが本当に大事なんです。」
「なるほど…。塗装なんて見た目の問題だけと思ってたんですけど、実は機能面でもすごく重要なんですね。」
「はい。保護の役割を果たしている塗膜が失われると、雨だけでなく紫外線にもさらされて、どんどん劣化が進みますから。」
まずは専門業者による点検を
お住まいの屋根がセメント瓦やモニエル瓦かどうか、見た目ではなかなか判断が難しいこともあります。とくにモニエル瓦はスラリー層があることで塗装の方法が特殊になるため、しっかりと経験を積んだ業者に任せることが重要です。
Y様も、最初は「塗装の必要性があるなんて知らなかった」と驚かれていましたが、状態をご説明したあとには「点検してもらって本当に良かった」と安心したご様子でした。
福岡市・太宰府市・筑紫野市・大野城市・小郡市で、セメント瓦やモニエル瓦の屋根塗装に不安をお持ちの方は、ぜひハウジングコートにご相談ください。
専門的な屋根診断から、瓦の種類に応じた最適な塗装方法まで、丁寧にご提案いたします。現地調査・見積もりは無料です。お電話・メール、どちらでもお気軽にどうぞ!